あんな小さな体にメスが入るのかと思った

弟の動脈管は、薬で閉じたはずだった。

手術の心配は今のところない、と言われていた。しばらく大きな話はなく、少し安心していた。

また開いた

その数日後だった。動脈管がまた開いている、と説明された。

薬をもう一度投与する。それで閉じなければ、手術になる。

もう、祈ることしかできなかった。

おそらく明日、手術

翌日は、妻と二人で面会に行った。

別の薬も試したが、改善していない。おそらく明日、手術になります。そう告げられた。

先生は、イラストに線を引きながら説明してくれた。体のどこを切るのか。どの血管のことなのか。

聞きながら、あんな小さな体にメスが入るのか、と思った。まだ生まれて2週間の、600g台の体だった。

このとき妻がどんな様子だったかは、あまり覚えていない。自分の不安で精一杯だった。

手術の日

当日は仕事を休んだ。手術は午後からだった。

手術の前、夫婦でつきっきりで弟に触れていた。体にはいろんな管がつながっていた。妻は時折涙を流しながら、その体に手を添えていた。

弟の小さな手が、指を掴んだ。

やがて時間が来て、弟はNICUの外へ運ばれていった。それを見送った。

待つ

待合室で待った。

他にも親が2組ほどいたが、みんな静かだった。テレビはついていたが、頭に入ってこなかった。何もせず、ただ待った。

手術は2時間ほどの予定だった。予定を過ぎても、呼ばれなかった。さらに1時間ほど待った。

「今終わりました」と、まず伝えられた。弟はまもなくNICUに運ばれてくる、詳しい説明はそこで先生から、とのことだった。

NICUに戻った弟を見て、先生から無事に終わったと説明を受けた。ほっとした。

帰る前に

弟の説明を受けている最中、兄の周りに人が集まっているのが見えた。何かあったのだろうか、と思いながら、弟を見ていた。

帰ろうとしたとき、兄の主治医から話があった。兄の肺が、治療の上限に近づいている。

手術が無事終わり、ひとまず安心したのもつかの間だった。このタイミングで。もうどうにかなってしまいそうだった。


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