しばらく、大きな説明のない日が続いていた。
動脈管の話は、面会のたびに経過報告の中で聞いていた。心臓の近くにある血管で、お腹の中にいる間は開いていて、生まれると自然に閉じていくものだという。閉じないままだと、心臓や肺に負担がかかる。閉じなければ、手術になることもある。
薬を投与しながら様子を見る。なるべく手術は避けたい。そういう説明だった。
また開いてきている
出産から10日ほど経った頃、先生から説明があった。
弟の動脈管が、また開いてきている。肺に出血がある。薬をもう一度投与して、様子を見る。改善されなければ、手術になるかもしれない。すぐにではなく、今週いっぱいは様子を見るとのことだった。
万が一手術になった場合、こんな小さな体で耐えられるのだろうか、と思った。
しばらく不安になることを言われていなかったので、少し安心していた。また、あの嫌な不安が広がった。
同じ日、兄は瞼が少し開いてきていた。
いきなりオペになることもある
翌日、昼休みに面会に行った。
薬で、動脈管は縮んできていると聞いた。少しほっとした。夕方にまた経過を見て、必要ならもう一度投与するという。
先生は、こうも言った。小さい子供なので、いつ容態が変わるかわからない。いきなりオペになることもある。
男の先生の話はいつも心配になるので嫌だ、と妻に愚痴っていた。その日も、その通りだった。
でも、先生方が必要なことを伝えてくれているのは、わかっていた。その先生は、いつも最悪の場合まで説明してくれた。
行けなかった日
その翌日は、面会に行けなかった。
妻の母が様子を見に来てくれて、妻と二人で面会することになった。面会は一日二人までと決まっていた。生まれてから毎日通っていたので、行けない日は落ち着かなかった。
職場で仕事をしながら、妻からのLINEを待った。なかなか来なかった。苛立っている自分がいた。
ようやく届いたLINEには、写真と一緒に、その日の報告が書いてあった。薬はもう一度投与されたが、効いてきている。
薬が効いてきている。その文言を読んで、ほっとした。
手術は、とりあえず免れた。
経過観察は、続いた。