双子が生まれて、数日が経っていた。
二人には、まだ名前がなかった。
保育器の札には、ベビー①、ベビー②と書かれていた。
書類も、看護師さんの呼び方も、ぜんぶ①と②だった。
予定よりずっと早く生まれてきたから、名前を考えておく時間がなかった。
そろそろ付けてあげないと
その日、妻と電話で話した。
名前のことだった。
お兄ちゃんの名前は私が、弟の名前は妻が考えることにした。一人ずつ、案を持ち寄った。
双子だから、二人に通じるものを持たせたかった。私たち夫婦にとって意味のあるものから、同じ意味を込めることにした。
いつまでもベビー①②じゃかわいそうだ。そう思っていた。
名前が決まった夜
その日もまた、心配なことを言われた。
肺が弱く、呼吸が安定しない。そう説明を受けた。
その夜、妻と電話で、名前が決まった。
願ったのは、いま二人が背負っているものを乗り越えて、元気に育ってほしいということだった。
名前が現実になる
妻が退院した日、二人の名前を正式に決めた。
その後、役所に出生届を出した。用紙に、決まった名前を書いた。
病院には、名前が決まったことをすぐに伝えた。
翌日、面会に行くと、保育器の札が、もう名前になっていた。
早いな、と思った。
ベビー①、ベビー②ではなくなっていた。